寝かせ玄米のレシピ
よく発酵玄米や酵素玄米とも呼ばれていますが、正しくは「寝かせ玄米」であり実はこれらは発酵もしていなければ酵素も存在していないのです。発酵と酵素の関係は微生物の働きと物質の変化です。この場合、微生物の働きが「発酵」であり、彼らが生み出すたんぱく質が「酵素」です。圧力鍋で炊飯する際に玄米は約120度の温度に達します。そして炊飯器の中(約70度)で三日ほど寝かせる工程も含まれますが、これらは発酵を促すには温度があまりにも高すぎるのです。菌は当然死滅します。酵素も60~80度の温度で10分もすれば壊れてしまいます。では、何故寝かせ玄米が重要なのか?
それはまず玄米を発芽させることで栄養価を更に上げ、消化吸収し易くし、熱と時間でメラノイジン(抗酸化物質)を添加する。これが重要なのです。
また、体にいいおかずを食べることも大切ですが、主食そのものを寝かせ玄米に置き換える効果はより絶大です。
♦必要なもの
・無農薬玄米 3合(450g)
・自然塩 約3g
・有機小豆 45g(玄米に対して10%の量です)
・圧力鍋(140kPaの高圧タイプが望ましいです)
・炊飯器(70度で安定して保温できるものが適しています)
♦作り方
――準備――
まず玄米を軽く洗い、表面についたホコリやゴミなどを奇麗にします。
ビンやペットボトルに洗った玄米、水を容器たっぷりに入れ陽当たりたりのよいところに置いておきます。水は凡そ12時間ごとに完全に入れ替えるのが理想ですが、面倒であれば1日1回の交換でも季節によっては大丈夫です。(夏場以外)
こうして毎日水を変えながら玄米の発芽を待ちます。玄米の「胚芽」の部分が白く膨らみ、小さな芽が出たらいよいよ炊飯です。またご使用になる玄米や季節により発芽のタイミングは安定しません。水を変える際、通常であればやや甘い匂いがしますが腐臭がする場合は雑菌が繁殖している為、破棄して作り直してください。
炊飯の際、小豆は最低半日程度水にさらしたものを使います。作るのに慣れてくると「明日あたり発芽しそうだから小豆を水にさらしておこう」というタイミングをつかむことが出来ます。
――炊飯――
発芽した玄米、水にさらした小豆それぞれの水を破棄して圧力鍋に加えます。
塩と新しい水をここで鍋に加えますが、水の量もまた玄米の種類や圧力鍋の質によって微妙に変わります。2.5~2.8カップ程で試してみてください。3カップでは玄米が水をしっかり含んでいる分やや過剰になり易いです。
圧力鍋にしっかり蓋をして過熱します。圧力がしっかりかかったら弱火にしてそこから15分(140kPaのお鍋の場合)加圧です。15分後火を止めて減圧を待ってから蓋を開けてください。
――寝かせ――
炊飯した玄米は少し多めに水分を含んでいる印象を受けるかもしれませんが、それで大丈夫です。炊飯器を保温モードにして中に出来立ての玄米を全て入れていきます。蓋をして3日間待ちます。1日に1回程度は炊飯器を開けて中身をよく混ぜてください。窯のフチからカピカピに乾燥してしまい易いので混ぜる作業はサボってはいけません。
3日経てば完成です。その日必要な分を残し、残りはラップにふわっと巻いて冷凍しましょう。冷凍されたものを召し上がる場合は蒸し器で解凍すると良いでしょう。
ご苦労様でした。寝かせ玄米の完成です。最初でいきなり大成功とはなかなかいかないかもしれませんが、作っていくうちに必ず出来るようになります。
先にも少し述べましたがこの寝かせ玄米はただ腸に良い食品以上のものであると思います。
と申しますのも実はこれは癌との闘病の際、回復のための主食にしていたレシピそのものです。「ただやみくもにこれを食べれば治る」というものでは御座いません、ご注意くださいませ。